(石井さん)
ワニの骨、この間、買ったんですよ。ワニって、爬虫類って、変わらないのね、ルックスが。
要するに、骨に肉が付いていても、皮がついているだけなんだなぁ、と思って。
ワニの骨って、ブツブツブツブツしていて、もうあの顔がもう目玉だけ付けたら、白いワニが出来上がっちゃうくらい、そのまんまなんですよ。
あれはチョットね、ビックリした。
何かこう、複雑に穴が開いたりしているんだろうと思って買ったんですけど、全然、面白くも何ともなかったね、だから。
だって、ワニだもの、普通の。
ワニの顔しているんだもの。
そこに目つけたら、ワニ、っていう。
あのね、これから言うことをね、何の躊躇いも無く、活字だけで想像してみて下さい。
まず、川がバーッと流れている川の流れを、空中から、相当遠い空中から撮った時って、川の流れってチョットこう……面白く見えるでしょん?
あと、血管。
血管の、例えば、何か、んー、、、何か検査で撮る時あるじゃないですか。
眼球(眼底?)検査とか。
アレのさ、血管のこう…動き、形とかさ。
それから、木の枝の形と、それから、根っこの形。
それから……時々、稲妻の写真なんか見たことあります?
全部、似てません?
全部似てるでしょ?
だから、この自然環境の中にあるものって、ほぼ、同じ形をしているんですよ。
(近藤さん)
川の流れと血管の流れ、そう言われてみて浮かんできた川の流れは確かに血管っぽいですね。
(石井さん)
そうでしょ?
それから、木の根っこ、それもなんとなく近いでしょ?
あとは、ひび割れとか。
それから、さっき言った稲妻とか。
あれなんかも、見ていると、真っ直ぐな稲妻なんて無いですしね。
だいたい、こう、バーッと血管の様に出るじゃないですか。
ああいうのを見ていると、あぁ…繋がってるんだなぁ、と思いません?
(近藤さん)
そういうので、また、何か出てくるんですよね、きっと、ね?
(石井さん)
えぇ、そうそうそう。
(近藤さん)
考えがフーッと出てきて?
で、何で作るんですか?
粘土とか?
(石井さん)
今、僕が作っているのは、、、チョットお休みはしているんですけど、結構大きなダルマの真っ白いのを買って来て、、、もう、何も絵を描いていないダルマですよ。
真っ白いやつ。
(色が?)ついていると、粘土が着かないので。
真っ白いやつだと、まだ、何て言うかな、ザラザラして、何材って言うのかわからないけれど。
とにかく、こう、、。引っ付く様に、外面をしているんですね。
その白いダルマに、バーッと、まず色々なものをくっ付けて行くんですよ。
粘土で。
それで、こう、形作っていって、
ダルマって、持って来た時には、非常にこう……形……まぁ、ダルマ屋さんには申し訳ないですけれど、なんか、凄い扁平なんですよ。
要するに、こう、日本の神棚の上に置くものだから、後ろがあんまり、例えば外人さんの頭の様に出ちゃったりなんかしていると、チョット置けないわけですよ。
だから、割りかし、こう、扁平なんですね。
だから、それをグァーッと後ろに伸ばす為に、何十本もツノをグァーッと後ろ側に出したりとか。
後ろ側に出した分、後ろに転んじゃうから、その分、今度は前にどんどん足して行く訳ですよ。
そうすると、どんどんどんどん顔も前に出ていくんですよ。
で、もう、最後は、ダルマの形がどこだったのか分からない位になるんですよ。
(近藤さん)
それを作って、失礼ですけど、石井作品って売られているんですか?
(石井さん)
んー、最近、チョットね、まぁ……自分はあまり好きじゃないですね……
(近藤さん)
仕事に……売って……
(石井さん)
えぇ。
だって、まだステージで歌っている訳だし、そこは、やっぱりチョット……絵を売ってというのは。。。
まぁ、俺は凄く苦労している画家さん達とか、それから、先輩をいっぱい見てきているので、そういうのを考えちゃうと、俺の絵なんてチョット売れねぇな、って。
(近藤さん)
いや、欲しい人はいっぱい居ると思うんですけど。
(石井さん)
よく言われるんですけど。
売らないですね。
ただ、あげます。
例えば、どこかの神社仏閣でコンサート演りました、という時には、そこに奉納として、ちゃんと奉納と後ろに書いて、贈るんですよ。
やっぱり、何かを必死に作ろうとして描いた絵というのは、チョット違っているんですよね。
狂気地味ていて。
で、なんか、暗〜かったりとか、
だいたい、こう、バランスを取れないんですよね。
だいたい人間ってさ、こう、チョット暗すぎるかな、ってチョット明るくしたりとかするもんですよ。
だけど、何かこう、他にデッカイことドーンとやってると、そういう所まで気持ちが行かないんですよね。
それで自分の何か、暗部だったら暗部を、そのまんま、こう、ぶつけちゃうっていう。
だから、そういう絵は自分でも好きですね。
【愛はふしぎさ】ON AIR
(近藤さん)
石井さんのお客さんの層というと、女性、男性、で言うと?
(石井さん)
圧倒的に女性ですね。
でもね、この頃かなぁ、、、男性多くなって来ましたねぇ。
イヤイヤ連れてこられてるんじゃないかな、という気もする。。。
(近藤さん)
そんな事は無いでしょう。
僕もアレだったんですよ。
出がね、やっぱりアイドルで来て、やっぱり100%女性だったという時代があって。
結局、その、僕がデビューした時に、自分が好きだった女の子が「マッチ❤️マッチ❤️」って来て。
僕の事が気に入らないんですよ、皆んな。
「なんでマッチなんだ、俺はお前の事こんなに好きなのに。テレビ出てあんなチャラチャラした奴好きなんだ。俺は近藤真彦なんか大嫌いだよ。」というスタイルで、なかなか男性ファンがついて来てくれなかった。
でも、僕ずっとレースみたいな事をやっていたり、まぁ、自分の好きな事をやらせてもらって、仕事は仕事でやって。
こう積み重ねてくると、ここ10年くらいですかね、例えばガソリンスタンドなんか入って、ガソリン入れてもらって自分は缶コーヒーなんか飲んでいる時、カップルが来て。
「写真撮って下さーい」と来ると、男が俺の横に来て、女の人はスマホで写真撮って、ありがとうございましたって帰っちゃう。
えっ!チョット待って!貴女はイイの???って言う。
男の方が写真撮って欲しいって言って、女性の方はあんまり興味ないみたいな感じで帰っちゃうんですけど、チョットそれが嬉しかったりするんですよね。
男性……やっとなんかこう、認めてくれる歳になったかなぁ。
(石井さん)
でも、両方から好かれる方がイイんじゃない?
(近藤さん)
まぁ、そうですけどね。
基本のベースはやっぱり女性、というかね。
まぁ、もちろんなんですけど。
(石井さん)
でも、あの〜、近藤さんの場合は、なんかこう、やっぱり、男をこう前に出そうとした時期があったじゃないですか。
あの時、僕はあんまり好きじゃなかったんですよ。
男を出し過ぎると思って。
やっぱり、男を出し過ぎると、女性ファンは減ると思うんですよ。
(近藤さん)
あぁ。。。作り過ぎちゃったという事なんでしょうか。
(石井さん)
多分、土台、器用な生き方なんだと思うんですよ。
やっぱり、スポーツも出来るし、色々出来ちゃうから。
だから、多分、もうチョット、こう、あの…ヤワでイイのになぁ、、、っていう。
その…こう、少し柔らかいスタンスの方が。
なんか、凄い肩に力が入ってやっていらっしゃるなぁ、っていう時も感じましたねぇ。
(近藤さん)
マッチとか、ギンギラとか、言われるのが凄く嫌な時代があったんですよ。
マッチじゃないよ、俺、もう30になるのに。
ギンギラギンにさり気なくじゃないよ、俺はもう30になるんだから大人の歌を歌いたいんだよ、ってね。
チョット背伸びしてね、男をアピールしていた時があったかもしれない。
(石井さん)
でも今、ギンギラギン、カッコイイじゃないですか。
(近藤さん)
今、この歳になったら、マッチもOKで、ギンギラもOKで。
全て許せるし、許してもらえるかな、みたいなところありますね。
(石井さん)
まぁ、アーティスト、人間みんなそうだけど、ある程度年齢を過ぎて来ると、50もね、一つ大きい山じゃないですか。
その山を越えるとさ、なんかいろんな事が見える様になってきてさ。
後輩の事もあるし、先輩の事も見えて来るし、いろんなことが見えてきて。
その中で自分がどうすべきかというのを、もう決めなきゃいけない。
これ以上待つことは出来ない訳で。
その……何て言うのかな、決まったんじゃないですか、自分の居る場所が。
50過ぎて、ここに居よう、みたいな。
後はもう、自分のやりたい、流れたい所に流されるんだったら流されてみようとか。
(近藤さん)
そうかもしれないですね。
(石井さん)
ただ流されて嫌だったら、石にしがみついていようとか、しばらく待っていようとか。
そういう事が出来る様になって行くんじゃないのかな。